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【日本基礎心理学会2008年度第1回フォーラム】

「感覚間相互作用研究の現在とこれから」

 感覚・知覚の分野では,感覚間相互作用の研究が非常に盛んになってきています。今回のフォーラムでは,感覚間相互作用研究で非常に活躍しておられる先生方に最新の研究を紹介していただくとともに,感覚間相互作用研究の可能性や今後の展開について討論したいと思います。基礎心理学分野の研究者の方々には大いに刺激になるものと期待しています。多数の皆様のご来場をお待ちいたしております。
【日時】
2008年5月24日(土)14時00分〜17時00分
 
【場所】
首都大学東京 国際交流会館 大会議室
(京王相模原線「南大沢」下車 徒歩10分)
 
【地図】
http://www.tmu.ac.jp/university/campus_guide.html (19番の建物)
 
【協賛】
日本人間工学会 感性情報処理・官能評価部会
 
【企画・司会】
市原 茂(首都大学東京)
 
【講演】
北川智利(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
「聴触覚相互作用の諸相」

聴覚と触覚の振動感覚としての類似性は古くから指摘されてきました。本講演では聴覚と触覚の関わりについて私たちが最近見つけた現象を紹介します。まず,触覚においても聴覚と類似した知覚的補完の現象が生じることについて紹介します。この現象は聴覚と触覚の間で振動情報の処理に共通点があることを示唆しています。次に,頭の近くで鳴る音が触覚に及ぼす影響について紹介します。一般に聴覚は遠感覚とされますが,特に頭部付近では近感覚的な役割も担っているようです。また,能動的な運動が聴覚と触覚間の時間分解能を向上させる現象についてお話しします。能動運動に続く感覚事象は,能動運動に時間的に近づいて知覚されることが知られています。その一方で,能動運動と刺激音の間の時間分解能は向上することがわかりました。比較的注目されることの少ない聴覚と触覚の密接な関わりについて議論が深まることを期待します。
藤崎和香(産業技術総合研究所)
「聴触覚,視触覚,視聴覚間の同期知覚特性比較」

視覚と聴覚,視覚と触覚,聴覚と触覚のように感覚モダリティをまたがった時間の判断は,モダリティの組み合わせによらずほぼ一定になると従来考えられてきまし た(Hirsh and Sherrick, 1961)。しかし発表者らは,聴触覚,視触覚,視聴覚の組み合わせについて同一被験者を用いてそれぞれ同期・非同期弁別課題を行い,聴触覚の組み合 わせでは他の二つのモダリティの組み合わせよりも時間応答が良くなるという実験結果を得ました(視聴覚,視触覚の同期・非同期弁別の時間周波数限界が約4 Hzであるの に対して,聴触覚では約8Hz以上)。本講演ではまず上記の実験についてご紹介し,その後,なぜ聴覚と触覚の組み合わせで時間応答が良くなるのかという問題を探るために行った一連の実験についてご紹介いたします。さらに視聴覚の同期知覚特性と,他のモダリ ティの組み合わせの同期知覚特性の類似性と差異について議論します。
杉田陽一(産業技術総合研究所)
「異種感覚間相互作用の神経基盤」

異種感覚間相互作用の責任部位として,上丘・上側頭溝の多感覚領野・前頭前野・海馬 などの機能が取り上げられてきた。ところが,最近の研究で,視床から皮質感覚領野に 至る様々な部位で,異種感覚間相互作用が行われていることが電気生理学的にも神経解 剖学的にも明らかにされている。外界の事象を正確に知覚するために,進化の過程の極 めて早期の段階から,異種感覚間相互作用を実現する神経回路が形成されていたと考え られる。
 
【指定討論】
一川 誠(千葉大学)
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