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【2003年度 第2回日本基礎心理学会フォーラム
「心理学基礎研究の地域貢献を考える」
【フォーラム企画趣旨】
 人のさまざまな行動と行動の背景にある心理過程に関する研究は、感覚,知覚,認知,記憶,学習,動物行動などの基礎的な実験心理学研究として、隣接領域と関わりながら多くの成果をあげてきた。これらの成果は、それ自体本来応用的問題に関わる内容を内在していると考えられるが、また一方で、特に近年は、実際にその成果が地域や社会に目に見える形で還元されることも求められているといえるだろう。今回、金沢の地で金沢大学との共同開催によって本フォーラムを開催するにあたり、このような応用の側面を地域貢献に求めた。本フォーラムでは、3つの異なる領域で具体的に取り組んできておられる研究をご紹介いただきなら、心理学の基礎研究が地域のさまざまな問題とどのように関わり、また研究成果をどのような形で地域に還元できるか、会員相互に理解を深め、同時に、今後の心理学基礎研究の地域貢献への役割について展望したいと考える。なお本フォーラムは一般にも公開して開催される。心理学基礎研究の成果の地域貢献について,地方における基礎研究のあり方について,さらに地域との交流・基礎と応用の関係について認識を深め、基礎心理学の魅力を伝えるよい機会になることを期待している。
【日時】
2004年2月14日(土)午後1時 - 5時 (終了しました)
【会場】
金沢大学サテライトプラザ・3階集会室 (金沢市西町教育研究館内 金沢市西町3-16) 
交通:JR金沢駅より北鉄バス「武蔵ヶ辻」下車徒歩1分
当日会場電話:076-232-5343
【挨拶】
辻 敬一郎(日本基礎心理学会理事長、中京大学心理学部)
【講演者】
山本 博樹(大阪学院大学流通科学部)
   “住まいの高齢者における操作手順の学習支援から”
松井 三枝(富山医科薬科大学医学部)
   “認知機能からみた精神疾患”
谷内  通(金沢大学文学部)
   “動物心理学の“応用”を考える:家畜動物の管理を中心に”
【企画・司会】
松川 順子(金沢大学文学部)
【講演概要】
1.山本 博樹(大阪学院大学流通科学部)
   “住まいの高齢者における操作手順の学習支援から”

 この発表では、地域貢献に役立つ基礎研究のあり方を検討するために、一例として、住まいの高齢者における操作手順の学習支援について取り組んできた研究を紹介する。高齢化する地域の住民が解決を求める問題群の中から、高齢者が一日の大半を過ごす住まいの中に問題を探ると、機器における操作手順の「学習問題」が選定できる。これを解決するために、高齢者の操作手順の学習における認知メカニズムを解明するとともに、その支援方法の原理を提示することが重要になる。中でも、取扱説明書は有力な支援方法であるから、それぞれの表現技法が高齢者の手順理解をどのように支援するかを検証することは基礎研究が取り組むべき重要な課題である。これまで、表現技法の一つである標識化の効果について蓄積されてきた基礎的な知見は、高齢者における操作手順の学習支援に資する重要な意義を持つ。そして、それらは高齢化する地域の問題解決にも、認知加齢研究の理論構築にも有効であり、地域と研究との相互発展の基礎になると考えられる。
2.松井 三枝 (富山医科薬科大学医学部)
   “認知機能からみた精神疾患”

 統合失調症の発病危険率は一般人口の100人に一人と高率である。また、青年期に好発するので、それ以降のその人の人生に及ぼす影響は大きい。したがって、出会うことの多いこの疾患を持つ人々に対する地域社会の理解は大切である。これまでの神経心理学的研究から、統合失調症では広範な認知機能障害を背景に記憶・学習、さらに注意や実行機能の障害が特異的であることが示唆されてきた。日常活動、社会的問題解決技能や心理社会的技能の獲得能力の背景には様々な認知機能の影響があることが推測されている。こういった統合失調症の生活機能の背景にある認知機能の特徴を示すこれまでの研究を紹介し、この疾患に対する理解をより深めることをめざしたいと考える。
3.谷内  通 (金沢大学文学部)   
“動物心理学の“応用”を考える:家畜動物の管理を中心に”

 動物を用いる心理学的アプローチの一つである学習心理学においては,動物は人間の行動モデルとして扱われてきた。この動物モデルを用いた研究によって得られた知見や理論は,人間行動を維持している環境要因と個体要因の関係を明らかにすることによって,行動の形成や修正の技法として比較的古くから幅広く応用されてきた。一方で,人間のモデルとしてではなく,動物自身の行動や認知過程を明らかにすることを目的とした心理学的研究も行われてきた。この比較心理学・比較認知心理学の成果として,我々の素朴な常識を超えるような,人間と様々な動物の認知過程の高い類似性や本質的な相違が明らかにされてきている。しかしながら,動物の認知と行動に関する基礎研究の知見については,その応用を目指す試みは始まったばかりであり,例は極めて少ない。演者の研究室で行われている研究を中心に,動物の認知と行動に関する基礎研究の例をいくつか紹介し,家畜動物の行動管理を中心に,今後の応用の可能性について考えたい。
【共同開催】
日本基礎心理学会、金沢大学
【後援】
北陸心理学会、石川県精神保健福祉協会
【チラシ】
(PDFファイル 624KB)
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